人生、午後3時からが面白い

サラリーマン文化芸術振興会 会長・大八木 元

 サラリーマン文化芸術振興会(略称サラ文)が発足した20年前(1992年)には会員の多くが現役のサラリーマンで、一週間のうち、ウィークデイは会社勤め、土曜、日曜に自分の趣味の時間を持つという生活を送っていました。仕事を“俗”、趣味を“仙”という漢字で表せば、一週間は“5俗、2仙”ということになります。
 1997年に出版した本のタイトルは「サラリーマン左手の法則」。
人差し指が“仕事”中指が“趣味”で、そこから生ずる親指方向の力を“生きがい”と捉えた新しい理論でした。サラリーマンが仕事やその成果ばかりを追い続けるのではなく、一方で趣味を楽しみ、広げ、深めていくならば、より強力な生きがいが発生して人生がもっともっと豊かになるという理論です。
仕事も一生懸命やることが前提という、現役サラリーマンの誰にでも受け入れられやすい“優等生的”理論でした。

 20年経った今、多くの会員は“7仙”です。勿論まだまだ“俗”の世界で頑張っているメンバーも沢山いますが、現在サラ文では“7仙”がますます元気に、豊かに人生を楽しんでいます。定年を迎えたサラリーマンにとって“仕事”は必ずしも“生きがい”の絶対的要件ではなかったのです。(世の中には仕事だけが生きがいという人たちも沢山いますが)
仕事から離れて収入は減りましたが、そのかわり豊富な時間を手に入れました。現役時代にやりたくてもやれなかったことに挑戦しているメンバーが沢山います(例えば平日の昼間に福祉施設へのボランティア活動を行ったり、子供の頃得意だったけれど勉強や仕事に追われて途中で諦めてしまった趣味や特技の上達に再び挑戦したり、夢だった世界一周の船旅を実現したり、という具合です)
会の発足当時、私たちは“個々の生き方に未来あり”“企業戦士から悠々人へ”とのスローガンを掲げましたが、発足から20年経った今、新たに“人生、午後3時からが面白い”と宣言致します。

 昔のインドの人生区分によれば、学生期、家住期を経てやっと到達した“林住期”という人生で最も充実した時期を迎えておられる皆さん。
是非、サラ文に入会して私たちと一緒に午後3時からの人生を楽しみませんか?