サラ文・展望台(2014年12月)

   

   今年も早"師走"である、走ったほうがよいのか!
いや走る必要は無いのだが、いくつになっても暮れはせわしないものである。新しいカレンダーも準備しなければならないが、ここ数年、12カ月分が一枚で、メモも出来る物を使っている。ものぐさ者にとっては意外と役にたつ、一目で一年の自分の行動が分かり、体調などもメモって置くと、毎年同じ時期に起こる不調事項などがはっきり分かる。しかし新しいことに挑戦してみたもののアッサリ諦めてしまった事など忘れたい事もすぐに分かって仕舞うのはいただけない…新聞記事で面白いと思った記事は時々切り抜いて置くのだが、こんなものが出てきた。『「新明解国語辞典」(三省堂)のなかでとくに名高い項目を引く「恋愛」=特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態(まれに)に味がある。実った恋と散った恋を数えれば、いつの世も失恋側が圧勝だろう。』 川端康成の初恋の人と交わした手紙が見つかったときに書かれた記事で、
『<恋しくって恋しくって、早く会わないと僕は何も手につかない>』などと有名人は失恋の顛末まで公になってしまうのだから大変だ。続いて『工藤直子さんに「痛い」という詩がある。<すきになる/ということは/心を ちぎってあげるのか/だから こんなにいたいのか>康成青年に感情移入するべく、お前も痛かったかい、と我が身に聞いてみる。あんまり昔で覚えちゃいないと、年老いた脳みそはつれない。'14.7.9、』と結んでいるが…残して置いてよいもの、残ってはこまるもの…カレンダーのメモくらいならいくら残っても問題ないし!知っている人が一人も居なくなるまで長生きすれば、よけいな気遣いは無用ですね!元気に新年を迎えましよう!         

                                                                                                                                      阿部 敏行