サラ文・展望台(2015年3月)

   

JR市川駅構内とリンクする高層マンションの最上階が、展望施設となっていて、“新日本夜景百景”に選ばれていることを家族から知った。その高層マンション完成後2回ほど上ったことがある。調べたら“・・・百選”は、千葉県内では三か所であることがわかった。たしかに素晴らしい夜景は360度のパノラマで、今は施設も充実している。

5年程前に、所用で島根県安来市へ行った翌日に出雲大社を巡った。ついでに“出雲日御碕灯台”へ昇ったことがある。貴婦人のような風格に見とれ、そして眼下に日本海を眺めたのは初めてでちょっと身震いした。翌年ある日突然、家族に“銚子に行くぞ!”と言って銚子港へ向かい、さらに犬吠埼灯台へ向かった。すでに閉館で間に合わず参観できなかったが、中学生のころの思い出が甦った。

そして昨秋、“明日、館山へ行く”といって、再び奇襲をかけ車を走らせた。途中で海鮮昼食・ちょっと足湯して、“ヨシッ、野島崎灯台へ行こう”と密かな目的を口にした私。昇ることができて太平洋を眼下にした。後で調べたら、出雲日御碕灯台・犬吠埼灯台は、いずれも“世界の灯台百選”にある貴重な灯台だった。そして野島崎灯台は、前記2灯台とともに“日本の灯台50選“に名を連ねる灯台だった。期せずして名灯巡り。
船員が目標の灯台の灯を目にしたときは、どれほどの思いをしたことだろうと思う。大げさかもしれないが、私がサラ文へ入会した時の思いが少々重なる。今は、アチコチに灯が多すぎて“サラ文の灯”が見えにくくなっているのかも知れない。蝋燭の持ち手を増やすのが確実に輝き続けることになるのだが・・・。 

                                                                                                                                    中村英生