サラ文・展望台(2015年4月)

   

 タイでタクシーに日本人が200万円を忘れたが無事戻ったというニュースをテレビで見た。運転手は降りた客を探したが見つからず地域の放送局に届け、放送で呼び掛けると共に警察にも連絡、無事見つかったのだそうだ。タイでは警察よりも地域の放送局に届けるのが普通だとか。
国によって遺失物の取り扱いは様々で、イタリアでは財布を無くした場合、ほぼ戻ってくるらしい。イタリアでは拾得物を郵便ポストに入れるのが普通で誰の物か分かれば配達してくれるのだそうだ。だが現金は拾った人が抜いてしまうのか無くなっていることが多いという。アメリカでは交番がないので警察署に届けるのだが、見つからないからと取り合ってくれないことが多いようだ。国によって様々で面白い。日本では忘れ物や落し物が戻ってくる確率が諸外国と比べて格段に高いという。地下鉄に忘れ物をした人が東京メトロの忘れ物サイトにアクセスして詳細を登録したところすぐに返信があり忘れ物が見つかった。取りに行くと、往復の交通費も出してくれたという。(本当かな?)
 
そういえば随分以前にこんな車内アナウンスを聞いたことがある(日本の電車で)。「今日は雨が降っています。雨が降れば傘が必要です。傘といえば忘れ物です。忘れ物にはご注意ください」。このような一寸耳を引くような車内アナウンスが最近聞かれない。どうやら最近の日本はマニュアル以外のアナウンスは規定違反になるらしい。律儀な日本もいいけれど、もう少しユーモアを交えて乗客を和ませてくれるアナウンスを自由に考えた方が効果はあると思うのだがどうだろう。
 
さて、春です。春は忘れ物をしやすい季節。注意しましょう。……忘れ物をしたら日本では諦めずにお届けを……きっと見つかります(保証はしないけれど)            

                                                                                                                                   太田 アキラ