サラ文・展望台(2015年11月)

 坐禅と私 まず姿勢を正して身体を調える。そして呼吸をゆっくり深くする。
すると不思議なくらい落ち着いて来る。これこそが坐禅なのだ。 両足を組む結跏趺坐。片足を組む半跏趺坐。どちらでも良し。
手の組み方は法界定印。結跏趺坐を組んだ足の上に右の手のひらを上に向けて載せ、同じように左手を右手の上に重ねる。親指と親指を支え合わせる。
自分の1、5メートル先の床に視線を落とし半眼状態。
息を吐いたり吸ったりして「調息」、息を吐く時「ひとー」吸う時「つー」と心の中で数えて「数息」。一分間五六回の呼吸となる。
一ちゅう(火偏に主)といって、線香一本燃え尽きる時間一回30分を二回。
坐禅によって身体を調え、呼吸を調え、心を調える。
お経は「般若心経」と「白隠の坐禅和讃」。両方短くて、最初は解らなくても、反復、継続すれば少しずつ解ってる来る。
毎月一度参禅しているが、なかなか思うように行かない。寝てしまうことがある。和尚が前を通った時、合掌して合図。警策(きょうさく)でたたいてもらう。
現役時代、少しでも時間があれば、10分でも寝る習慣があり、また心掛けていた。それが災いしてる。
継続は力なり。目的意識を失わなければきっと良い事があると思う。大悟はなかろうと小悟はきっとある。 最後に好きな禅語をひとつ。「放下着(著)」ほうげぢゃく
投げ捨ててしまえ。一物も持つな(無所有)。そして執着心を捨ててしまえ。

                                       加藤 三郎