サラ文・展望台(2016年3月)

男子厨房に入るべし

サラ文の男子たるもの料理をやっているだろうか?よく聞く話として、カレーライスやチャーハンが出来るようになったとか、鍋ならお任せを等々の話。ここまでは一応誰でもできるのである。この段階から一歩抜け出て進歩するには、これ以上いろんな料理ごとのメニューを個別に追いかけていてはいけません。料理とは「素材」と「調理手段」と「味付け」の組合せによって決まるものであるから、先ずそれらの特性を知るところから始めるのが正しいのです。これらの特性を覚えるのに一番いいのは、色々な場所で色々なものを食べてみることです。何も高級料理店や著名なお店でなくていいのです。誰かの造った失敗作でもいいのです。大事なことは「旨い」ものと「そうでないもの」の違いの原因をみつけることです。 例えば牛丼で有名なお店、Y屋やS屋やМ屋、皆さんがよくご存知のお店です。しかもどのお店の商品も「素材」は牛肉や玉ねぎなどシンプル。「調理手段」も素材をいためて煮て「味付け」も砂糖と醤油味という似たようなもの。それなのにようく味わってみると微妙に味わいが異なっているのです。さてこの差はいったい何なのでしょうか?  家に1人でいて、「何か腹減ったなあ」、、、、、。この時がチャンスです。冷蔵庫にある素材と調味料だけで瞬時に何を作るか?のヒラメキが必要なのです。その為にマグロの刺身にキナコをかけたり、イカをいきなり油で揚げたり、とんでもない経験も必要なのです。このような経験から「素材」のもつ特性と「調理手段」の活用がわかってきます。「味付け」も砂糖大匙2杯、醤油10CCはいけません。男子たるもの全ての調味料はヤマ勘で但し、常に少なめにすることが大切であります。こうして培った調理技術にもうひとつ必要なもの、それが食べる「タイミング」であります。熱いものは熱く、冷たいものは冷たくして、待たずに直ちに食べることではないでしょうか?    

後藤 昭光