サラ文・展望台(2016年10月)

 今年の台風10号はハラハラドキドキの不思議な経路をたどり、東北地方へ直接上陸して思わぬ災害をもたらした。また北海道へ直接上陸した7号台風。温暖化等が進む中での、自然現象まで大きく作用して人工的に変化させられた現象のひとつでしょう。風水害は局地的・集中的に巨大化している。昨年私の実家の宮城県大和町でも、川幅の小さな川から泥水が溢れだし、アッという間に親類の家の前の路面から1.3mまで達した。

今年も岩手県岩泉では川の流れの蛇行形状まで変わるほどの大激流。
全国各地方で地震などと幾度も災害にあわれた地域。突風による被害も甚大化している。
“雨も”「しとしと・・・」降る雨は、静寂な情緒を感じさせ、“雨の日が好き・・・心が落ち着く」という人も多い。“風”も時に、猛然と吹きすさび建築物を吹き飛ばす強大なエネルギーを持つけども、快い“風”もある。爽快な風にであえると、近くに流れる江戸川べりに行きたくなることがある〜そう、映画やテレビドラマのあの青春シーン。
自転車での向かい風はそれなりの労力が要るけど、追い風は軽快である。

考えてみれば、自分の背に各方面からの微風を受けて心のエンジンに活力を得た機会が
多かった。逆風もあったが心傷としての体感は自分の意識の中では小さい。逆風の時に、支えとなった別な方向からの追い風があったせいかもかもしれない。サラ文に十数年在籍し、多くの方々と出会えて背に風を送っていただいたと思っている。これからは、
体感できないような微々風の力を送れるよう・・・私自身が心がけたい思いです。


中村 英生