サラ文・展望台(2005年02月)
●寒中お見舞い申し上げます。「健康が大事」とはよく耳にするし、反対する人はいないが、体験しないと実感できない。始末に悪いのは、体験した時は手遅れになる場合が少なくないことである。

●昨秋の健康診断で「所見あり」となった。10年前と7年前にも体調を崩したことがある。私の趣味はマラソンで、その時は医者に罹らず、走りを抑えて3か月で回復したが、健康に自信が持てないことは斯くも不安かと、健康の有り難さを悟った気がした。

●回復してすぐ忘れた積もりはないが、今回も走り過ぎが原因だとすれば、健康のために走り始めたのだから本末転倒である。自分では、同じ誤りを3度も繰り返すほど愚かでないと信じているだけに、走りを抑えれば3か月で回復するという保証はないし、前回から7歳も年をとったし、毎日が日曜になって酒量も増えたし、原因不明なだけに不安は増す。

●いわゆる弱者の不安や苦労は本人でないと解らない。私は今回の体験を基に、解ろうと心がけよう。私に限らず、気をつけていたはずなのに健康を害したのである。認知症(痴呆、いわゆるボケ)の人との接し方で大切なのは「共感する」こと、とする「バリデーション療法」が注目を集めている。共感することは人との接し方の基本であり、相手が認知症に限った話ではない。

●不調と言いつつフルマラソンを走っている。健康に自信を持っていただけに、ちょっとの不調で非常に不安になる。まだ手遅れではなかろうし、この程度では弱者の不安をどこまで共感できるか定かでないが、健康が回復しても弱者と同じ目線に立てる人になりたい。

東山道之

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