サラ文・展望台(2006年10月)

散歩するなら一万歩をめざして街中の散策に出かけてみる。
新旧ビルの交代で思わぬ空間が出来ていたり通れなくなったりと、結構都会の通りは変わり身が早い。
今までは避けて通っていた工事中の通りも、何年完成とか何が出来るかなどの表示があるので街の変化になんとかついていける。
さらに最近の工事現場は通りとの境の板囲いに面白いものが多くなり歩いていて楽しい。
もう建物が完成し撤去されてしまったが日本橋の中央通りのお江戸の大絵巻はきれいで興味深かった。
今は反対側の通りの板囲いが目につく。上は白壁風で下側が板張りの組合せでお江戸の屋敷の塀のようで、道行く人々もこの中で工事が始まっているとは分らないくらいスッキリしている。
さらに行くと「福に出会う街角」なんてキャッチフレーズから始まり、裏通りにありこじんまりしているが、永い歴史がある福徳神社の由来や、ここ室町が江戸の商いの中心地であった事など歩きながら学んでしまえる。
でも私が最も気に入っている事例は、まだ2〜3年は工事が続くと思われる地下道路拡張工事の仮歩道である。
そこに使用されている歩道用の覆工板がユニークなのである。金融機関が多い周辺の景観をイメージしたと思われる古銭を現代風にアレンジした文様で、この界隈がみなこの歩道になれば、街のシンボルにもなり面白いのではと勝手に思っているが、作業終了と共に普通の歩道に戻ってしまうのは残念な気がする。
このように工事中の歩道が道行く人々にも、快適さと目を楽しませてくれる配慮が、なされる時代になり期待している事がある。
この通りにある「日本橋」の頭上の高速道路の撤去問題、と日本橋川の景観と再生計画、ここにきて地域の方は勿論、行政も周辺企業も動きだしているようだが、近い将来あの獅子と麒麟がデザインされた優雅な橋の上をゆっくり歩きながら青空を眺められることを願っている。

サラ文 幹事 品川慶子

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