サラ文・展望台(2006年12月)

 都内の家族型マンションへ14年前に1人で入居した私には地域に知人のいないことはもとより隣の人とも挨拶だけという生活を不自由も感じず、会社勤めを続けてきた。
血縁、職縁、学縁・趣味縁等は大切でも地縁は考えていなかった。そんな私が還暦を迎えた時、少しは地域に係わりボランティアー的な仕事をしてみたいとシルバーセンターに登録をした。
とは言うものの、殆ど活動をしなかった私に先日センターが請け負った資格試験会場の監督官本部の一人として働く要請があった。
アロマセラピー1級、2級試験で2000人の受験者の98%が若い女性という試験と聞き、電車の中で化粧したり、言葉使いも荒く傍若無人なのを見ているだけに、うまく運営されるのだろうかの心配は無用だった。
服装や化粧こそびっくりするような人が沢山いたけれど、合格率85%、合格しても特に就職に有利になるわけではないと聞いた試験でも接した若者の顔つきは真剣で会場内の指示に実に素直だった。
最近資格試験の数が増え何の役に立つのかしらと感じていたが、現にこの区のシルバーセンターが請け負う試験場監督だけでも年平均20回位あるという。しかし自分の好きな分野で公的な試験があるのは目標をもち勉強し、合格通知を受け取る嬉しさがあり、それは言葉で誰かに励まされるより特に若者には確かな自信とやる気を持たせるのかもしれない。
この仕事の説明会に参加した時は自分を棚に上げて老人ばかりだなとの印象だったが、試験当日男女共スーツに身を固め、きびきび段取りを進め働く姿は人が違って見えた。
老いの厳しさを感じるからこそ健康を維持し社会参加を続けようという目標を持ち、その目標が人を生き生きさせているのだと思った。無事終了した時は仲間としての連帯感をもち、地域の情報も得られ、認識を新たにする充実した1日になった。
     サラ文幹事 坂本淳子

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