定年を迎えてその気になれば再雇用制度でまだ働けたのに、何をするという当てもなく自由人になって3年余。退職時には思っていなかった日々を今送っている。
退職当初は毎日決まってやることもなく、することといえば散歩ぐらい。この何もすることがないのが我が性分にはピッタリだったようで何の苦痛もなく一日、一日が過ぎていったのだが、巡り合わせというのは面白い。ある日のこと公民館便りを見ていたら「かっぽれの案内」が掲載されていた。時々落語の後に噺家が余興で踊るかっぽれ。私も落語の後にやれたら芸の幅が広がる?のではと入門してみた。生徒は私より年上と思われる女性がほとんど、男性は私のほかに2名。だが師匠が40歳前後の女性。これが気に入った(ニヤニヤ)。何回か稽古をするうち、小金井公園にある江戸東京たてもの園でボランティア活動をしている同時入門の男性が、月に1回行われる素人寄席の担当をしていた。私も落語を少々嗜むと言って名刺を渡しておいたら、1〜2日して次の日曜日に出演してほしいとの依頼。今まで素人の人と一緒に落語をやったことがあまりなかったのだが他の素人の落語を聴いてみて、私は素人にしては巧いのかも?と勝手に思い込んだ。すると、あちこちから落語の出演依頼が舞い込むようになる。神社のお祭りやら市の文化祭等々。そこで知り合った仲間がこんな催しに一緒にどうかと誘ってくれたり、八代目林家正蔵の前座経験があると張ったりをかましたら北千住のプロと一緒に出演する素人寄席の出演依頼まで来てしまった。こうして最近あまり暇でもなくなってきてしまったのだ。すると人間は欲が出てくるもので何時も同じ衣裳ではみっともないという気になって、もっと新しい着物を仕立てるように女房を急かしているのだがなかなか取り掛かってくれない。注文中の袷の着物・単の羽織・薄物の長襦袢は何時になることやら・・・・・・。
ということで仕事をしないで惰性で生きようという目論見は少々外れたような今日この頃なのであります。(私事で失礼しました)
こんな話が皆さんの人生の生き方に役立ってくれれば幸いです。(役立つ訳ねえか?)
太田アキラ 事 古好亭 志んー
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