サラ文・展望台（2010年11月）

このほど発表された人口統計によると、わが国の65歳以上の高齢者数は２９４４万人、総人口に占める割合が２３％と国民の約４人に一人は高齢者という時代になりました。平均寿命も延び続け今年の7月現在男性７９歳、女性８６歳に達したそうです。長寿は喜ばしいことですが現在６６歳の私が平均寿命近くまで生きると仮定して、それまで伴侶や子供達に世話を掛けずに健康に過せるかどうか時々不安を感じます。

最近、認知症に関するマスコミの番組や記事がよく目に付きますが、それだけ高齢者やその家族にとって切実な問題になって来ているのでしょう。認知症の原因の中で最も多いのがアルツハイマー病と言われています。先日のＮHKのテレビ番組で,有酸素運動（軽く汗をかく程度の運動＝ジョギングやウォーキングなど）を１回２０分ほど週２日以上行うことはアルツハイマー病の予防に有効だそうです。歳を取ると脳にβタンパクが溜まりやすくなり、これが増えると周囲の神経細胞を傷つけアルツハイマー病発症の原因となるそうです。しかし運動する事で脳に溜まったβタンパクを掃除する役目の分解酵素を活性化する事が出来るそうです。最近はアルツハイマー病の進行を抑える薬も実用化されている様ですが、先ずは認知症にならない様な生活習慣を心掛ける事が大切かも知れませんね。

現在、これといった運動をしていない私の場合は、走る事は苦手なのでせめてスポーツジムに通って水泳、筋トレなどで汗をかきたいところですが、年金生活では高い会費が少々負担になります。そこで急坂の多い家の近所を犬と熟年夫婦で30〜４０分散歩することで運動の代わりにしています。季節の変化を感じながら歩くことは精神的にもやすらぎます。

運動も大切ですが、趣味などを通じて多くの人々と楽しく交流したり、また人の為に役立って喜ばれる事で生甲斐も生まれ、それが脳を活性化することにもつながるのではないでしょうか。サラ文会員の皆様はおそらく認知症とは無縁の人生を送られる事と思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

余談ですがサラ文事務所への魔の急階段も有酸素運動になると思えばさほど苦で無くなりますね。

白鳥　　宏