サラ文・展望台(2010年12月)

 

老後への投資
サラリーマンが退職後の人生をいかに楽しく過ごすかということで、株式投資等で資産運用をする人もいよう。しかしそのような才覚もなく、年金暮らしの私のような者にも老後への投資の仕方はある。それは自分自身を磨くための技術、才能の訓練をするという投資である。それも退職する時より5年くらいは前に始めた方がよいが、すでに退職した人は今からでも遅くはないので、なるべく早く始めよう。

自分のことで恐縮だが、私の趣味の一つは植物に関する興味である。単なる植物の名前の知識でなく、園芸植物であれば栽培方法や利用方法、山野の植物であれば人間との関わりまでを知ることである。自分の知識のレベルを確かめるために「緑と花の知識に関する認定試験」に挑戦しようと、50歳代半ばで改めて幅広い勉強をして毎年1回の試験を受験し、5年目で「緑花文化士」の称号を獲得した。しかし、この称号で飯が食えるわけではない。この知識を活用して如何に世の中に還元するかであり、人に喜ばれることによって自分の人生も楽しくなる。
もう一つの趣味に歌を歌うことがある。昔からカラオケを楽しみ、日本民謡、詩吟なども習ってきたが、57歳で一念発起して難しい日本歌曲に挑戦した。個人レッスン料を払って発声の基礎から声楽を勉強したわけだが、当然金と暇はかかる。私の道楽ということで家内の理解があってできたことではある。

日本歌曲をステージで歌うことは年に1回くらいで、普段はその技を活かして老人ホームへの歌の訪問を大八木会長のノコギリ演奏などと一緒に「大久保雑唱團」というグループ活動として行っている。お年寄りの好きな昔の歌を演奏するのだが、踊りや手品などの他の訪問ボランティアのグループが多くて、結構場所取り(?)も激戦である。練習の成果として、施設のお年寄りと一緒に歌って喜ばれれば自分の気持ちもうれしくなる。
これらは例えで、人によって技や知識への投資は様々であろう。要は自分で投資した技や知識の訓練の成果は、自己満足に終わらせることなく、如何に世の中に役立たせるかであろう。老後への投資を行って、それを大いに活用して楽しく生きよう。

流尾 哲也(64歳)
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